誰にとってもあると思います…「原風景」。
故郷の文字通りの風景とか、いわゆるお袋の味とか、
聴いて育った音楽とかね。
私の場合は、ピアノでした。
両親が音楽教諭(父親は高校の,母親は幼稚園・自宅教室の)だったので毎日嫌というほどピアノを聴いて育ったのです。作曲家も知らない,楽譜も読めない、…だけど色々な曲を、頭から終りまで覚えています。しかも寝る時には毎晩、チャイコフスキーのレコードをみっちり2時間聴いていたし(母親が,絵本の読み聞かせを何冊しても眠らない私に辟易して代わりに始めたのがそれ。特に、くるみ割り人形なんかはすべての曲を隅々まで覚えてます……)。
ええ,ヤマトの音楽もとても素晴らしいですが、私にとっての音の原風景は幼い頃に自宅で流れていたピアノの音なんです。
…しかも、いいんだか悪いんだか、「母の」演奏でしか聞いたことのない曲が圧倒的に多く。
どういうことかといいますと。
有名どころのピアニストの演奏に違和感がある。
「早すぎる」「全然感情こもってない!」と、世界を股にかける演奏家の音にダメ出し三昧…。
ボロクソです。
つまり、母親の演奏が一番耳についてるので一番心地良いと。
まさにお袋の味、なんですねえ(w)。
ただ、彼女は今、半身麻痺のためにもうピアノが弾けません。
プロの演奏で,母親のものに似た弾き方の音源を探して聴く事くらいしか、私も、できません…
(ピアノもあるけどね、今の私が弾けるのはネコふんじゃった、くらいなもんなのさ)
だからなのか…、彼女がよく弾いていた曲で私も好きだったものを
オリストで使う事があります…ショパンのノクターンはそうだったな。
幻想即興曲、も。
今回音源を載せる、ドビュッシーのアラベスク第一番、も大好きです。
中学生くらいの頃は弾けたのですが、今はまさか絶対に無理。
アラベスクはたくさんあるのですが,その中で一番スキです。
ノクタ—ンを弾けるようになったテレサちんが次にトライするのが、このドビュッシーのアラベスク1番、ですね(w)きっと。
曲としては,ノクタ—ンよりもテレサのイメージに近いと思うな〜〜。
なんて。
まあ要するに、子守唄…ですね。それをオリストに使うなんて…歳取った証拠だなあ(爆)。
ドビュッシー/アラベスク第一番ホ長調
(リンク張ってるページには、何人かの演奏家の方の音源が乗っていますが、中でも母の演奏に一番近いのが山季布枝さん、次点が中井正子さんです)
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