たまには介護の話を。
読んでると心が荒みそうなので
読みたくない人はスルーしてね。
実母が8年前に倒れて、以来介護の日々を過ごしておりますが。
母は右半身麻痺なので、自宅での介護は出来ず、ずうっと施設暮らしです。
非協力的で稼ぎの少ない夫と、小さい息子たちを抱えていたので
在宅介護は早々に諦めましたが、
時間が経てば経つほど母の麻痺や認知症は加速しました。
そもそも、半身麻痺の母を自宅で面倒見るには、自宅の大規模改修と24時間態勢の介護の人手が必要で、そのどちらも無理であることが分かってたんですけどね。
倒れた当初は、出来るものなら自宅へ連れて帰ってやりたいと、考えていましたよ…
施設に預けると、認知症も麻痺も加速しますね…
老健は「機能回復していずれは在宅へ」がうたい文句の施設ですが、
実際は「だんだん動けなくなりボケていく」ようです。
深刻なスタッフ不足のために、一人一人の高齢者のニーズを満たすことができない。
だから、お年寄りたちは我慢する。
我慢していると非人間的な生活になっていく。
虐待ではないにしろ、ヒトとしての我慢の限界を超えると、思考停止した方が楽になるので、そうやってしのいでいるしかなくなるのですね。
それが介護施設での生活です…
(関東南部で、老健5軒、特養1軒をハシゴした平均的な感想です)
だからといって在宅の方が幸せかどうかは、個人差が大きいと思いますが…
昨年、母がほぼ一年間入居していた特養は、家から車で40分程度のちょっと寂しい所にある施設でした。地域から隔離された感が強くて、施設内の何もかもが(施設そのもののハード面は奇麗で整っているのですが、中身の人材、つまりソフト面が)手抜きというかダラけていると言うか、少ない人数で回すためにあちこちに酷いひずみがあると言うか…そんなところでした。
「嫌だったら出て行っていいんですよ?悪い評判立てられたって、うちは困りませんから」
介護施設は、大概そういう態度です。
なぜならば、普通のサービスを期待してゴネたとしても、
こんなとこにいられるか!って怒っても、
在宅で面倒見切れない年寄りは、他にどこも行き場が無いから。
ちょっとした怪我をさせられるとか、衣服を雑に扱われて破けたとか、
その程度では文句が言えません。
そんなんでなくても、例えば…
トイレに行きたい、でも車椅子から便座に移れない、だから介助を待つ。
まあその間に漏らしたりもしますねえ。
上手く便座には座らせてもらえても、今度は呼んでも呼んでもパンツを履かせてもらえない。扉はカーテンだけ、プライバシーはほぼゼロ。
また他に微細な所だと例えば、
手が不自由だから使った歯ブラシを洗えない、洗わない歯ブラシがコップに何時間も差してある、次に使う時に洗うからいいかっていうと、そんなことはないですよねえ…でも我慢させられます。
キモチワルイから、奇麗にして欲しい。
それが一番、通りません。
施設のスタッフの言い分は、(いや、ホントに言うわけじゃないけど)
↓ こうです。
漏らすのならトイレ行こうとせずにオムツ履けばいい、
歯磨きイヤなら虫歯になって歯を抜くはめになればその方が楽じゃん?
眠れないならちょっと強い薬で強制的に眠らせる。それで具合が悪くなったらヤメりゃ良いや。
あ、介助中にちょっと麻痺してる足の膝が擦り剥けちゃった、爪が伸びすぎて布団に引っ掛けて剥がれちゃった、でも隠しておけば良いや。あとで指摘されたら謝ればいいさ、どうせ麻痺してるんだから本人は分からないし。
全部、施設の人手の都合で、そういう扱いをされます。
…この程度で、文句を言っても、無駄なんです。
こんなの。
…もしも保育園だったら親としては怒っちゃいますよね。
子どもを預けていて、そんな扱いを受けたら大激怒ですよ。
でも、老人施設だと怒るだけ無駄なんです。
今まで、何度も手を替え品を替え施設と戦って来ましたが、駄目でした。
通常社会のルールでは動いていない世界ですから、もう母に我慢してもらうしかなくなってます。
その結果が、認知症状の悪化なんですが…
まあね。
ホント。
もう、しょうがないんです。
そんな母ですが、
ようやく、家から徒歩圏内に昨年完成した特養へ
引っ越して来ることが出来ました!
通うのが大変でない、というのは重要なファクターです。
それから、新しい、っていうのも。
それと、駅に近い、っていうことも。
立地条件は重要です… なんでかというと、やっぱり、
駅近の、昔からある住宅地にある施設は、悪い評判立てられると困るんでしょうね。
人里離れた施設では、別に困らないから裁判でも何でも起こせば?っていう態度ですが、今度の所はそうじゃなさそうです(多分)。
…なんて、
なんだかこっちも心が荒んで行くのがやるせないですが
さすがに色々痛い目に遭って勉強しましたから
同時に妙な諦観も持っちゃってるんですよねえ…。
朝からドタバタと引っ越し作業をして、精神的に疲れ果て(^^;)
珍しく午後には昼寝してしまいました。
でも、これで8年に渡る介護に一区切り付きます。
老健は1年以上の入居は出来ないので、常に次の入居先を探す苦労がつきまとっていました。
特養も通うのに車で片道40分じゃ体力的にキツかった。
家から徒歩でも10分ほどの新しい特養は、入居をほぼ丸3年待ちました。
よっぽどのことが無ければ、ここに死ぬまでお世話になるのかな。
ともあれ、ちょっとホッとしてます。
[9回]