(仲村秀生ボイス:ON)
こんばんは。
僕、島大介と言います。
ええ… そうですね、2012年にリメイクされたヤマトに出ている、
もう一人の僕へ一言伝えたくて、ここをお借りしています。
ERIさん、ありがとう。
(ERI:ひええええっっ?あ、ありがとうなんて…そ・そんなあ…いいんですよお… 照)
そうか…。
沖田さん、「ぶつけろ」って言うのか。
…古代はよく言ってたけどな、「白兵戦だ!ぶつけて乗り込む」とか。
いや、あれだって俺は反対したよ、一応ね。
何が起きるか分からないのに、戦いの序盤でそんな無謀なことは出来ない、って。
どうも、あの艦長席に座ると無駄に気が大きくなるのかな。笑。
ぶつける、っていえば……
白色彗星戦役でデスラー艦に小ワープで接舷した時は、
艦首から突っ込む予定じゃなかったんだ。
本当に、「接舷」するだけのつもりだった。
結果的に頭から突っ込む形になったけど、お陰で波動砲を損傷してしまって
あろうことか、決戦の時には使えなかった…。
大体、波動砲発射孔から敵艦へ移乗するなんて、俺は感心しないね。
あれだけ大きな開口部を敵艦に穿つわけだから、逆に敵方から乗り込んで来られる危険だってあるじゃないか。だから、かつての沖田さんはそんな捨て身な戦法は取らなかったんだ。
少し考えれば分かるだろうが、艦体の損傷は即自滅に繋がる。
艦首を突っ込むなんて、ホントに最後の最後の手段だよ……
のっけから波動砲を使えなくするかもしれないような危険を背負い込むなんて
リスクが高すぎるだろ?
序盤に取るべき戦法とは思えないね。
古代のやつは血の気が多いから、戦いが序盤だろうが、すぐに背水の陣を敷きたがるんだが、それをまさか、沖田さんがやるとはねえ。
君も苦労するなあ…。
え?
古代は、血の気は多くない……?
えええ?
そそうなのか?!
…しかも……古代は艦長代理に任命されてない、って?
何でだ、一体??
沖田さんが病気で倒れたあと、やつが艦長代理に抜擢されたはずだが……
真田さんが最初から副長?
本当か?!
まあ、それはなんとなく妥当だな…… いや、こっちの話。
そうか……
あいつは、戦闘班長のままなのか。
あ、戦術長、だったかな。そっちでは?ああ、そうか。
ふうん……そうか……
ふうん……ふふふ…
君には悪いが、2199クルーの序列は妥当だな。
古代が熱血でないから、沖田さんの血の気が多くなったんだ。
なんだ……しかも、波動防壁っていうものがあるんだって?
ふむふむ……そいつはすごい。
そんなものがあれば、俺は随分助かったぞ、きっと。
……というか……
いや、すまん。
沖田さんの戦法の件を聞いて、最初俺は君に同情していたんだが、それは撤回する。
君は、贅沢だ。
どうして?って?
いいか………
波動防壁なんてすごいものがあるのなら、俺ならもっと思い切るね。
修理の連中?そんなのほっとけ。君の管轄は運行だろう、修理じゃないだろう。
文句は艦長と副長に言ってくれ、って知らん顔すればいいんだ。
君はちょっと、あちこちにヘコヘコしすぎなんじゃないか?
俺だったらその波動防壁を活用するね…目一杯。
古代に負けていられるか。
なに?
島大介は冷静沈着質実剛健なはずじゃないのか、って?
もちろんその通りさ。
だがな、昭和の漢は静かに赤い血を滾らせてるものなんだ……誰でもな。
俺だって例外じゃない、表面上物静かにしている方が上の受けがいいからそうしているに過ぎん。
波動砲を損傷するかもしれないって?
それはそうかもしれん。
だが、波動防壁の強度や持続時間は君だって把握しているだろう?
もう何度使用した?その都度君も見ていたんだろう?
考えろよ……軍艦の装甲板と、総統府と言ったって都市の建造物と、どっちが脆いと思う?
異星人の常識なんか分からない、って?
そのためにメルダっていう将校を乗せてるんじゃないのか?
いい加減にしろよ、島大介!
俺と同じ名前のくせに、なんだ、そのへっぴり腰は。
情けないぞ!
なんなら、俺が代わりに操縦してやる。
(笑)……さすがにそれは嫌か。
いいか、聞いておけ。
垂直に立っている建造物に突っ込むならな、斜め下から心持ち上に向かって突っ込むんだ。
突入角が垂直だと、ヤマトの自重と引力のせいでそのまま下方へ落下する危険がある。
艦首で引っ掛けて、持ち上げるような感じで舵を引け。姿勢制御も忘れるなよ?
……そんなの分かってる、って?
ははは、悪かった、そうだよな。
君も島大介だものな。
迷いは吹っ切れたか?
よし、頑張れ。
「任せておけ!」って言ってみろ!
君は、その台詞を言ったことがないだろう、ERIさんから聞いてるぞ。
古代に負けるなよ!
あ…?
なんだそのカードは?
罰掃除カード?
…………古代も同じ物持ってるって?
…………あのなあ。
そういうことじゃあ、ないんだがな。
……まあ、いい(苦笑)。
しかし、きみが俺より年上の20歳だってことには心底驚愕するが…
これも時代なんだろうな。
まあ、頑張れ。
ヤマトを、頼んだぜ。
ERI:
あのー………。
なるほど〜。
チャラスケが躊躇いなく総統府に突っ込めたのは……
アナタのおかげだったのでありますか………島さん。
つーか。
昭和の島大介なら、言いそうだよねえ……
波動防壁?んなチートなもんがあるんなら、
もう俺は躊躇しないぜ、突っ込むぜ!!って……
その代わり、真田さんにしつこくつきまとって、
波動防壁の持続時間や強度をどんどん上げさせるのでしょう……
っていうか……
やっぱ、旧作の島、かっこいいよ……(笑)……ウン……^^;
[21回]