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毎年3月9日には

もちろん、思い出しています…ひっそりと。

命日は夏ですが
ファンとしては、この世にあの方が生まれて来てくださった日を思い出さずには居られません。


最後は、あまりにもあっけなく逝ってしまわれましたが…
最晩年の5年間。
月に2回は一緒にお茶させて頂き
声のレッスンまでして頂いていた、…多分、ケアマネージャーさんの次に親しくさせて頂いていたERIです…


誰かと親しくなると、その人の良い部分だけではなく悪い部分、嫌な部分も目にすることになります。
白状しますが
かの方におかれても、そのような多面的な部分を赤裸々に見聞きしました…
私は自分を叱咤しなければ、お会いしに行くことが出来なかったこともありました。

「似ている同士」でなければ、きっと我慢出来ないだろうことって、ありますよね。

あ。

秀生さんとERIが似ている、とは言っていませんよ、そんなおこがましい(笑)
ですが、夢中になると細胞レベルで周りが見えなくなるところや、どう贔屓目に見てもエキセントリックだよね、変わってるよね、ってところはとても似ていたと思います。
ご長女さんが、かつて「父はゴッホのような人だった」と仰っていましたが…
ええ、それ、よく分かります。
私も自分の中のゴッホみたいな部分を必死で抑えながら生きて来たので。
でも、私の中のゴッホは、秀生さんの中のゴッホと比べたらちっちゃなゴッホで(何の話かチンプンカンプン?…かもね・笑)。
それが、私と秀生さんとのカリスマ性タレント性の大きな差、でもあったのでしょう。
抑えられるほどのゴッホなんて、大したゴッホじゃないんですよ(笑)


秀生さんのゴッホは、あの方を壊すほどの影響力を持ったゴッホでした。

今でも私は、あの、秀生さんの中のゴッホが自ら、あの方の人生の幕を引いたのだ、と信じています……事故でなんか、あるはずがありません。



実は、
ERIは仲村秀生さんが亡くなられてから、
旧作のヤマトをまだ一度も観られていません。

つらい?

つらいな、と思うって言うのもあります。

でも、一番好きだった頃のお声ですから、寂しい、というのが本音です。


実は、晩年良くお会いしていたときの秀生さんのお声は、島大介の声でも力石徹の声でもありませんでした。強いて言うなら、声に張りの無くなったど根性ガエルの南先生、かな。

島さんファンの皆さんには想像しにくいでしょうけど、
秀生さんご自身は島大介のキャラクターとはまったく似ておらず…ヤマトの登場人物で言うなら……デスラー総統かアルフォン少尉?って感じでした(笑)。
俺様が世界の中心、と信じて疑わない孤高の老俳優、という感じ?
常に王様であるかと思えば、同時に小さな子どものように欲求むき出しになったりして、ERIはまるで、この人は地上に降りてきた、暴れん坊の小さな神様みたい、と よく思ったものです……


5年間の中で、私は二度
秀生さんに叱られたことがあります。


一度目は、沢田敏子さんの敏、という字を間違えてメールしてしまった時。
(沢田さんは、ハイジのナレーションの方、と言えば分かるかな?秀生さんと同世代ですがまだ現役でいらっしゃいます)

人の名前というものは、間違えてはいけない。
メールの機能で淑子、と変換されてきたのをそのまま使ってしまったのですが、いや、それは駄目だ、人に見せるときは名前はよくよく確認してからにしなさい、とおっしゃいました。
最もなことです…

「あしたのジョー」のアニメのクレジットで、
仲村秀生が中村秀生、になっているのを見つけられて、「ああそうだ、このアニメは僕の名前を間違えているんだった」と思い出され、その話になったんでした……(笑 あしたのジョーはお好きで、DVDをプレゼントしましたら、飽かずに何度も観てくださいました。僕のやってる力石って、カッコいいね!と驚かれたように仰っていたのが思い出されます…)



二度目は
やはり私がメールの中で、秀生さんのご指導に対して失礼な反論をしてしまったときです。
詳細な文言は挙げませんが、他の声優さんの練習法を褒めてしまい、秀生さんの指導方法を軽んじたような表現になってしまっていたのです。
あとから「この表現は、僕としては非常に残念に思います」とたしなめるようなメールが来て、「きゃあああああ」と青くなりました(笑)


ですが、押し並べて、
秀生さんは私のことをとても可愛がってくださり
なにくれと世話を焼いてくださったのです。

秀生さんのおかげで、私は「声優になりたい」という幼少時からの夢を叶えることが出来ました…
まあ、ほんの数年ではあったのですけれど。




ひとつだけ、ものすごーーーく残念なことがあります。


私は、カラオケで秀生さんに指導を受けていた時、ICレコーダーを使って録音していました。
ですが、へたくそな頃からずっと録音を録りだめしていたために、レコーダーの容量がいっぱいになってしまい。
そこで、「この先もっと上手になるのだから、古いものは消去して行こう」と思いたち、一回数時間にも及ぶ自分と秀生さんとのやり取りを録音した記録をほぼ、消去してしまったのです。

中には、養成所の課題を二人で演じたものもありました…

子ダヌキが変化の練習をするのに、お化けになってお寺の和尚さんを脅かす、という短い小咄です。

もちろん、子ダヌキを出し抜く和尚さんを秀生さんが
子ダヌキと、最後に出て来て和尚さんを出し抜く大妖怪の母ダヌキを私が演じました。
これ、とっても出来が良かったんですよ〜〜。
ところが、「来月はもっと上手くなる」と思った私は、それも消してしまったんです。


返す返すも、惜しいことをしました……


その後、体調を崩された秀生さんとは、もう一緒に同じ台本を演じることなど出来なくなり。
そのまま、お元気だったはずのある日、突如帰らぬ人となってしまわれました。

バカな私は、家の固定電話の留守電に入っていた「仲村秀生です。●●●さん(私の本名)お電話ください」というお声まで、消去してしまったんです……

だって。

またすぐ、次がある、きっとお元気になる、と信じて疑わなかったから………。







おかげで、晩年の秀生さんのお声は
最後にされたナレーション、
東北新社で録音された「宇宙戦艦ヤマト2199発進式」(BSでしたから、私もTVでは観ていません。DVDを直接頂きました)のレポート番組でしか聴くことは出来なくなりました。

もちろん…

島大介の声の面影は、ほとんどありません。

不思議なんですけどね……


いわゆる「中の人」は目の前におられるんだけれども
もうあの島さんの声、は「無い」。

でも、確かにあの方は島さんを演っておられました。



たぶん…


まだ、旧作のヤマトを観ると
言いようのない気持ちになっちゃうんじゃないでしょうか…私は。
島さんの声は、そこで生きているからです。

声優さんの声は、生き物です…

特に、亡くなられた方の声は、作品に魂を移して、そこで確かに生きている。
おまけに、ご自分の中の『ゴッホ』を抑えた「役になり切った声」だから、輝きを失いません。
最近の、無声音/鼻濁音の使い分けがまるで出来ないナレーターや若手声優さんの聲とは明らかに質の違う、芸術とも言える声の碑。

確かに亡くなられたはずなのに、そんなのは何か、悪い夢でも見ていただけなんじゃないのか…?そんな気にもなります。






毎年3月9日には、こうしたあれこれを思い出しながら、
一体いつになったら、旧作のヤマトを観られるようになるんだろう?と
私は思うのです。







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