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The Planet of Green  ☆ blog

   

歳末大感謝祭(4)

拍手にてコメント下さったよ☆こんさん、zashikihosi☆utaさん、☆おQさん、
どうもありがとうございました(^^)

あ〜〜〜。

……まあその、色々と突っ込みたい事はあるかと存じますが…(笑)

もちろん、なんだコイツら、いいトシしてバカじゃねえの?って意見も多々ございましょう…

いや、もしかしたら、ここを見て下さっている方の6割以上が、そう思っておられるのかもしれない。いや、もっとかもしれない…

けどね。
誰しもね、人生は一度きりなわけですよ。

ああ、あれもしたかった、これもしたかったのに…って、死ぬ時に思いたくないでしょ?


普通は不惑、と言って、40にもなればそういう思いを整理して、
あるいは自制してあるいは我慢して諦めて、自分を律して生きて行ける年齢。
ですがあいにく私は、そんなに人間が出来ておりません。
もしも男だったら、きっと60になっても妻子を放り出して貯金もせずに世界旅行して遺跡を探検したり前人未到の冒険をしたりはたまた美女三昧の酒池肉林、竜宮城へGO!だったかもしれません(やい)。

そんなBAKAを、面倒見てやろうって人が居るんですから、
私は感謝しなくてはならないんでありますよ。
おにーさんは、きっと私がちょいとヤマトでイスカンダルまで行ってくるから、つっても、
「待ってるから無事で帰っておいで」という人です。
男には、ロマンの欠片と、帰る港が必要なんですよ……(あれ?)





てなわけで、「追憶のエレベーター」(4)
南部君もオチがつきます(笑)。
「つづき」からどうぞ〜〜(^^)




追憶のエレベーター

(4)

 

 

 

 

 そこまでが、俺の奇妙な体験の一部始終だ。

 

 そこまで……というのは、実はなぜか、アレ以来俺は、元いた世界に帰れていないからだった。

 

 南部康雄砲雷長。
 砲雷科の長であり、基本的に艦の各種攻撃火器を所掌。
それが俺の役職であり、任務である。

 波動砲を撃つ段になると、古代が後ろに引いて俺が出る、この爽快さったらない。

 狙った標的は絶対に外さない、波動砲スナイパー?ぐふふ!

 この俺に、出来ない事は無い。そんな気分。

 

「大砲屋」

 

 森雪が付けた俺のあだ名は、いつしか俺自身が口にする名誉なニックネームとなった。

 

 前髪ざっくりな典型的なメガネ男子といった己の風貌にも、ようやく慣れて来た。この容貌は、俺自身の内にたぎる克己心(ムッツリスケベとも言う)とは裏腹に、なぜか女性に安心感を与えるらしい……モブ扱いされるのは不本意だが、それがかえって都合がいい。下心満載で微笑んでいても、無邪気な笑いに見えるようだから。

 イスカンダルの海で、女子隊員の水着姿をガン見していても、南部さんはいやらしい感じがしないわね、と看護師の原田に言われたときは内心「ラッキー!」と叫んでしまったほどである。

 

 残念ながら、大好きな波動砲(笑)はイスカンダルの女王の意向で封印されてしまったが、ヤマトは今、幸いにも地球への帰途、最後の数光年に到達していた。

 

 俺自身、あまり驚きを露にしない傾向ではあるが、それでも予想もつかない人間関係の変移に腰を抜かすことがある。

 筆頭は、クールを気取っていたはずの艦底の不良――あの加藤が、看護師の原田とデキ婚をしたことだ。(ああ、俺好みのボン・キュッ・ボンが……)

 艦載機乗りに女がいた事も驚きだが(いや、元々いたのか?船底のことに疎い俺も俺だが)この旅の最中に俺でもやらないような事をしてのけるとは、加藤も隅に置けない……

 

 

 

 ――そして。

 

 

 

 今、俺はあることに対し、憤懣やるかたなく思っている。

 優男の我が班長だ。

 

 森雪が拉致されてしまった時、第一艦橋を離れる事の出来なかった俺は、あとから事の顛末を聞いて激怒した。

 

「あんた、そばにいたんだろうが!」

 

 古代の胸ぐらを掴みかけ、突き放す。こんなヤツ、殴る価値も無い。

 俺があの巨大ミサイルを撃ち敵艦隊を壊滅させてた間、あんたは一体何してた!

 

 

 こんなとき思い出すのが、破天荒だった「元の世界の古代さん」だ。

 目の前にいる「戦術科班長」の古代一尉は、あの古代さんじゃなかった。

 

 

 さらに森雪は今、兇弾に倒れて生死の境を彷徨っている。今となってはもう、俺の出る幕じゃない……だけど、あんたがそんなでどうする、古代さん。

 背中をまるめ、まるで一挙に十も老けてしまったみたいに元気の無い様子は、確実に周囲の皆に影響を与えている。

 面倒見の良い航海長が時たま慰めているようだが、班長は力なく笑うだけだ。

 

 その日も俺は、ヤツの不甲斐なさに歯噛みして、珍しく足音荒く森雪の眠る部屋へと向かった。深い海の底に眠る眠り姫……といった体(てい)で、彼女は相変わらず眠っている。

 許可なくここへ入る事は禁じられているようだが、それは建前。むしろ、雪さん、寂しいだろうからときどき見舞ってあげてね、と原田からも言われていた。

 

 

「森さん」

 眠る彼女に向かって、大砲屋はつぶやいた。

 

 大砲屋。

 

 あなたがそう言ってくれたから、俺はこの夢の中で波動砲の射手になれたと思うんだ。それだけを考えたら、元の世界に戻らなくたって良い、とさえ思える。

 でも、その代償が……あなたのこの姿なのだとしたら。

 あまりにも。

 

 それ以上、かける言葉も見つからず。俺は踵を返して部屋のドアを出ようとした……

 

 

 ――と。

 

 

 艦内放送が届かないようになっているはずの室内に、懐かしい曲が静かに流れ始めたのだ。男性歌手の甘い歌声で奏でられるその歌は、否応無く故郷地球への郷愁を呼び起こす。

 

 振り返り、森雪の眠る顔を見つめる。

 そうだ……

 真っ赤なスカーフ。

 元の世界ではあなた、これを艦内放送禁止にしていたっけね。みんなに里心がつくからって言って……

 

「でも、もうすぐ地球へ帰れるんだ。あなたにだって、待ってる人がいるだろう?……もういい加減、目覚めてくれよ」

 無言のその顔は、相変わらず美しい。

「誰のためだと思っているか……か」

 

 そうだな、誰のためでも良いじゃないか。

 頼むから、誰のためでも良い、意識を取り戻してくれ。

 ――俺のためじゃなくても良いから。

 

 

 

 歌がインストルメンタルに変わったのを機に、俺は短く溜め息を吐いてドアを出た。

 と、向こうから看護師のボン・キュッ・ボンがやって来るのに気がついた。

「やあ」

 しかし原田は、俺がそこに居たことにギョッとしたようだ。

 小さく息を飲む音が聞こえ、その顔に一瞬動揺が走った。

 

「あ、あら、南部さん!……森さんのお見舞いに?」

「あ、ああ」

「ありがと。森さん、相変わらず容態は変化ないけど……時々誰かが非番の時に来てあげればきっと寂しくないわよね。……早く目、覚ませばいいのに」

「うん……そうだね。君も夜中にご苦労さま」

「私はこれが仕事だから。じゃ、またね」

 強ばった笑顔を見せてくるんと向きを変え、原田は森雪の眠る部屋へそそくさと入って行った。

 

(……芝居が下手だな、ボン・キュッ・ボン)

 

 そうか。

 森さんの容態は芳しくないのだ。

 俺は、己の無力さにギリ、と歯噛みする。そのまま何分も……その場から動けなかった。

 

 

 その後、数分と経たずに森雪の眠る部屋の付近が慌ただしくなり。古代班長が血相を変えてそこへ駆けつけ……中から小さな嗚咽が幾つも聞こえるにあたって俺は。

 

 通路の向こうを曲がった所で、さらにじっと立ち尽くしたまま考えた――

 

 

 

 

 もしも、元の世界に戻ったら。

 

 ……森さんは、どうなっているんだろう?

 

 ヤマトは……どうなっているんだろう?

 

 

 

 

「……!」

 そうだ、思い立ったら躊躇はしない。

 俺は、森さんのために何も出来なかった。

 だけど、万が一の可能性に賭けてみる価値はある。

 馬鹿げているとは思いながら、俺は第一艦橋に向かうエレベーターに飛び乗った。

 艦内放送が、繰り返しあの曲を流している……

 旅立つ男の胸には ロマンの欠片が欲しいのさ……

 

 そうだよ、男には馬鹿げていようがロマンの欠片が必要なんだよ、チキショー!

 

「森さんを、返せーーっ!!」

 殴りつけるように上階へのボタンを押した。

 果たしてエレベーターは、突き上げるような衝撃とともに急上昇を始めた。
と同時に「真赤なスカーフ」の調べが、急に耳鳴りのように内耳に反響し、俺を翻弄した……

 

 

 

 

「………チン」

 

 

 

「や、やった!!」

 エレベータードアが、その音を立てて開いたとき、俺は感極まって叫んでいた。

 

 見回せば、なんと……

 さっきまで居た世界の第一艦橋より、少々アナログ感を残した雰囲気のそこは、見まごう事無き「元の世界」!

 

「やった……やったやった〜〜〜〜〜!」

 小躍りした俺を、正面から怪訝そうに見つめる人がいる。

「……もっ……森さん!!」

「はあ?」

 

 胸が小さい!

 尻も小さい!

 しかし腰はキュッ!だ……

 

 そうだ、この人は、森雪だ!!

 

 

「よかった……良かった、森さん生きてたぁぁーーっ!」

「ちょ、ちょっと、なにすんのよ!」

 思わず両手を振りかぶって彼女に抱きついてしまい、勢いで殴られる。

「なにやってんの南部」

 相原が呆れ返っている。

「こら南部!お、おまえ!」

 中央の戦闘指揮席から慌てて振り返った古代班長の声が、一瞬ひっくり返った。

 

「ああ、すまんすまん、ははっ」

「まったく……なんだっていうのよ?」

 森雪はぷりぷりしながら取り落としたデータボードを床から拾い上げ、失礼しちゃうわ、と俺に背を向けた。顔から半分ズレた眼鏡を直すのも忘れて、俺は笑いが止まらない。

 

「南部、第二主砲室へ行ったんじゃなかったのか?2分と経たずに戻ってきやがって」

「え」

 古代班長がご機嫌ナナメな森雪をちらちら伺いながら言ったその一言に、俺ははたと固まった……

 

 第二主砲室。

 そうだ……そういえば。

 

 

 急に巻き戻る記憶。

 怪奇現象が起きると噂のエレベーターに乗って俺は、第二主砲室へ行こうと

していたのだ。

 

 慌てて頭を触る。もみあげが長い!

 眼鏡もレイバン風、そして。

 まさかとは思ったが、露骨に嫌な顔をしている太田の後ろへ駆け寄って、航路図を見た。

 

 

 

 ――なんてこった!

 まだバラン星域にさえ到達してないじゃないか!

 

 

 

「ははは……あはははは」

 参ったねこりゃ。

「大丈夫か、南部?」

 いきなり笑い出した俺に、太田がビビっている。まあ無理もないや。

「大丈夫だ。……ってことは」

 波動砲も。

 

 またしても止まらない笑いを堪えながら、自席に帰る。

 コンソールパネルには、当然のことながら、波動砲制御パネルは……なかった。

 

 

 つまり。

 俺は……元の世界の、元の時間に、戻ったんだ。

 ああ、さらば、大砲屋。

 

 

「南部君……どうしちゃったのよ?」

 ツンとしていた森雪までが、心配そうにそう言って俺を下からのぞき込む。

「すいませんでした、心配かけて。…変な夢、見てたみたいです」

「お前な!いい加減にしろよ、そんなでどうすんだ…」
と古代さんが上官風を吹かせた途端、横から島さんが振り向きもせず横やりを入れる。
「何言ってんだ古代。今まで居眠りしてたヤツが」
「ああ?!してねえよ!」
「いいや、してた」
「うっ……るせえな島!」
「いい加減に黙れ…俺は苛々してんだ!」


 にらみ合う班長2人の座席の間に、森雪がつかつかと割って入る。
 
「も〜〜、やめてちょうだい。…まあ、このところ……みんな、苛立ってたものね」

  ふう、と小さな溜め息を吐くと、彼女は肩をすくめて振り向いた。

「農園で取れた野菜で、ジュ―スでも作りましょうか」

 

  そして、変わらないあの笑顔で、あのキラキラした瞳で、にっこり笑った。

 

 

 

 

                           (おわり)



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