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SWと古典

新作を観に行く前に、これは是非過去の作品のイッキ見をして復習すべきだと思い、このところEP1から地道な視聴をしている。


実を言えば、
「スター・ウォーズ」の実質第一作目(現在のEP4)は中1の夏、「さらば宇宙戦艦ヤマト」と同時期の公開で、島くんLOVEだったはずの私は突如ハン・ソロにも一目惚れ(笑)。
以来、ハリソン様を観るためだけに(コラ)SW新作を追いかけて来た。

なので、帝国軍とか反乱軍とか元老院とか分離主義とか、
あの物語の「最初の文章の説明」はよくわかってなかったりする(^^;)が、
とりあえず「ファンだな」との自己評価はある。

ハン・ソロ推しなので、ダース・ベイダーの生い立ちを描いたEP1〜3は、正直最初は興味がなかったのだが、一応押さえとくべと観に行った劇場で、アナキン・スカイウォーカーにも惚れてしまった……

なんとなれば。

ルーカス・フィルムの阿漕な手口。
魅力的な子どもを出すというね……
しかもレースあり母との別れあり、でしょ。

それに当時、我が家にはちょうど少年アナキンと同じ年まわりの息子たちがいて、置いて行けないからいっしょに観に連れて行ったら、彼らがハマった、という事情もあった。

しかも、末っ子の三男がEP3の公開当時、3歳だったのだが
ウエーブした可愛い茶髪で色白で、ぱっと見女の子のような顔立ちなのに目つきが悪い!!(w)
まさに若きダース・ベイダー役のヘイデン・クリステンセンのミニチュア版のようで……(EP3の劇場で、兄貴たちと私は「……うちのチビが映画に出てる」と顔を見合わせたほど)
今はただの猫背のポッチャリゲームオタクと化してしまい見る影もないが(w)、
当時の三男は実に、EP3のアナキンのようだったのだ。
(当時、あまりにも「似てる!」とうるさかった母が必死に写真を撮ろうとしたのだが、騒ぎすぎたためにチビは携帯を向けると必ず背中を向けるようになっちゃった。証拠写真がないのが残念だw)


などなどの理由で、我が家は末っ子のぞいてみんなしてSWのファンである。
(……アナキンに似てると言い過ぎたので、末っ子はSWアレルギーになっちゃったようだw…ああ、猫背直して痩せて背が伸びたらああいうイケメンになるのになあ……残念な事だ……)



とまあ、このような薄っぺらい理由はともかくw

私はルーカス・フィルムが好きであります。


で、それが古典にどう関係するのか?というのが、「つづき」であります。


拍手[1回]






スター・ウォーズと古典。


この場合の古典とは、いわずもがな、ホーリー・バイブルのこと。


あ〜〜。
前にもクドクド書いたのでご存じかも知れないが、
私は家庭の事情でいわゆる「聖書」というものをしつこく親に読まされた。
訳本によるガタガタ感バラツキ感はあれど、おそらく通しで旧約聖書と新約聖書を30回以上は通読させられており、参考文献や歴史文献なども合わせ読むと言ういわゆる研究レベルのこともさせられたもんだった。

宗教としては信じてないけど、聖書という古典の、独特の完成度の高さには、
世界の他のどんな書物も太刀打ちできまいと思っている。

自国の古典に関してはあまり知らない(高校の授業でやったモノ程度しか知らないw)ので比較するわけには行かなさそうだが、歴史を考えても古事記や日本書紀より聖書の方が断然古い。そも日本の書物は比較の対象にならない。
その他の国の古典では孫子の兵法が目下のお気に入りだが、やはり聖書に比べてしまったら、守備範囲がまるで狭い。
インドの聖典に関してはシッダールタ本人について調べているうちに嫌いになったのでさらに魅力を感じない…

そう、例え聖典と言えど、調べているうちに共感出来なくなったり、
矛盾だらけで作り話感が強すぎると思うと魅力を感じなくなる。
それが宗教として成立し国民全体を動かすにしろ、その根底に政治が絡んでいると分かれば「ただのマインドコントロールだね」となり尊いとは思えない。
いわゆるキリスト教において信じられている教理のほとんどは、そのようなマインドコントロールのための「耳触りの良い話」ばかりだから、それがベースの行事にはまったく興味を持てないのよ。

例えばキリストの生まれた時代背景を考察すると、彼の存在が後年どのように他国のマインドコントロールに利用されたかがよく分かる。

現在知られている「習慣」や「祝事」は、キリスト本人や旧約聖書とは無関係のものばっかりなのだ。

クリスマス自体もキリストの誕生日とは言えず(聖書の記述をみるとキリストの誕生した季節が冬ではない事がはっきり分かる)三賢人を導いたと言われる星は神の示唆でもなんでもなく(その当時のローマの地方総督はキリストを抹殺したがっていたのだから、その居所を示唆して命を脅かす可能性のある天体が、神の導きであるはずがない)記述通りならキリストは十字架に磔にされたのではないわけで……(もーね、枚挙にいとまがないのよ)
でも、ではその各々がなぜ後年今のようなスタイルになって行ったか、その変遷を研究するとホンットデタラメなので、呆れ返ること夥しいのだ。
あまりにもボロが出過ぎるから、きちんとした時代背景なんぞ調べないで、雰囲気だけ楽しんで「聖夜」とか言ってる方が幸せだと思う。
私はそんな風にボ〜〜〜っと騙されるのが嫌いなので、クリスマス=ツリーとチキンとケーキとプレゼントとイルミネーションのお祭り、だとしか思ってない。



しかし一方で、
「聖書」自体は「調べてもボロが出ない」という点でものすごくレベルが高いのだ。

古い記述のある部分は、
数百年後に証明された科学的根拠に照らしても正確な部分が多い上、
見事なSFスペクタクル脚本としても秀逸。

地球が球体だということを表す単語や、手洗いうがいがウイルスの蔓延を防ぐと言っているような記述が、その概念もない時代に書かれている。
一方でフォースか?としか思えない超能力を持った人間たちの存在も描かれる。
特に旧約聖書には、現代のハリウッドでようやく映像化が可能になる……というくらいの記述がてんこもり。
新約聖書に行くと、キリストの人間性について考えさせられる。BLを匂わせるイスカリオテのユダの存在もあるが、おしなべてキリストは弱者に優しく(老人、女性、奴隷、子どもなどに対して、当時の常識では異例とさえ思える親切な対応をしている)超能力とも言える力と知恵を持ってはいても暴君ではなく、権力に屈しない魅力的なイケメンだった事が分かる……きちんと読めば、まさにスーパースター、と言われるだけのことはある人物像が浮き上がる。





さて、ここらで、
スター・ウォーズの話作りをみると、やはり「聖書」がベースにあると分かる。

というか… キリスト教圏の人ならみんな、それは分かって観ているはず。

ジョージ・ルーカス自身が脚本書きの参考にしたと言われる、大御所のSF作家や文化人類学作家たちも、家が敬虔なクリスチャンだとか、結局根底には聖書があるのだ。
細かい事言うと、ベースが聖書で、そこに他の地域の、色んな土着の信仰が入り交じっている感じかな…例えば日本食のメニューに和風出汁が使われてるように、そういうベースの根っこの部分にあるんだよね、聖書の存在が。

厳密に言えば聖書とは全然無関係な設定も多々あるが、
大きな設定の中には無条件でキリスト教圏の人間が感心するに値するものが配置してある。


例えば、アナキン・スカイウォーカーの「選ばれし者」としての人物設定。
これははっきり言っちゃうとイエス・キリストと非常に良く似ている。

父親がいない(=全く同じ。キリストは処女受胎によって誕生)
生まれながらにフォ―スを持っている(キリストの起こした数々の奇跡。ただしキリストの力の方がフォ―スよりもはるかに強い。ダークサイドのフォースでは死人の復活も可能、と言われているので、意識しているのは間違いない)
細胞内のミディ=クロリアン値がケタはずれ(新約聖書には、キリストが唾液と土を混ぜて盲目の人の目に当てると視力が回復したという記述がある。細胞レベルのものに力があるという設定そのまま)
人としては一度死ぬが、生まれ変わる(これはE.T.でも使われた「キリストの復活」がモチーフ。生まれ変わった時にはもっと強くなっている、ってのがセオリー)


主人公の基本設定がここまで同じなのは、もう何がベースなのか疑いようがないよな…

こじつけ……にも見えるかも知れないけど、それはここが日本で私らが日本人だから。
この教理でみっちり育っている欧米の人たちにとっては、疑いようのない「特別感」のある人物設定のはずだ。




選ばれし者、だったアナキン。
キリストがもしも、完全なる神の代弁者としての予定通りには生きず、与えられた能力を自我の欲求のためにだけ使い、自分の欲求に正直に生きていたらどうだっただろう?
誰しもそれを一度は考えるんでしょうかね、欧米のひとはね。

自己の欲求や欲望に正直に生きてしまったSWの選ばれし者アナキン・スカイウォーカーは、ダークサイドに落ち、最強の悪の権化となった。

…もしもキリストが私利私欲で突っ走ったら、最強最悪の支配者になったんじゃないか、なんてことも、簡単に想像出来るもんね。


そんで、その悪の権化となった彼を引き戻すのが息子との絆。
キリストの息子といえば結局後世のクリスチャン、信者たちでしょう。
そうやって、やっぱりキリストの生き方は正しいのだ、自分たちの信ずるモノは正義なのだと、キリスト教圏の皆さんを安心させる着地点をもうけてあるわけですな。無意識に英語圏の人間はこういう事を想起するだろうから。


他にも枝葉の部分で色んな名作が下敷きになっているけど、根っこが全部「聖書」だっていうのは譲れない真実。






続けて行くとキリがないので、ここいらで締めますが…

まあこんな風に。

ただのSF映画として観るには、スター・ウォーズは勿体ない作品だと私は思った。
「これのどこが名作なのか」と思う人は、
隠されたお手本の存在を文化として知らないだけなのだと思う。

優れた作品には、さらに優れたお手本が隠れているもの。

お手本としての古典を知っていると知っていないとでは、作品に感じる奥行きがまるで違うし、面白さも断然変わってくる。
思えば、1930〜60年頃に作られた名作と言われる世界の劇場作品は、すべてこういう作りになっていたんじゃなかろうか。名台詞や名シーンには、優れたお手本があったのだ。


日本人は、劇作についてこういう深い楽しみ方をあまりしないので、どうしても何か新しく物語を作っても薄っぺらい感じがしてしまう、そこがいつも残念。
日本の国史が欧米に比較して浅いことと、島国であるがための閉鎖性も影響していると思うけど、とかく考えを広く深く巡らせて話を作る…ってことが苦手な国民だよなと思う。
真似して奇麗に作る事には長けてるけどな。


(ここで引き合いに出したら可哀想だとは思うけど。今のアニメの脚本の、なんて浅い事か…。2199も多分に漏れず、監督ぐるみで真似してサイドストーリーを作る事には長けていても、優れたお手本から独自の感動を生み出す事はできなかった。
既存の名作のリメイク、は悪い事じゃあないけれど、元ネタを越えられない背景にはきっと上に書いたような要素もあるだろう。そろそろ、そこんとこから刷新をはからないと、今後はどんどんテレビもドラマもマンガもアニメも国内産は面白くなくなって行くに違いない…)




SWを観ながら、
そんな事をつらつらと考えた2015年の年の瀬でありました………とさ。

ここまで延々、読んで下さってありがとう&すいません。

そして、良いお年を。





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